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伯父と姪の  故知(こち)問答
 東南はるかに霊峰白山の雄姿を仰ぎ、縄文遺跡を有する御経塚の西北端から八田(白山市)や専光寺(金沢市)の日本海の浜辺へは十キロに満たない。手取川扇状地の中間部に位置して、平安時代の源平争乱などに巻き込まれた加賀の武士たち、戦国時代の一向一揆等々、この地に住むひと達は経済的・歴史的にさまざまな役割を演じてきている。

 30代なかば、小学生の息子を持つ史恵(ふみえ)さんとその伯父訪古継彦(つぐひこ)を主な登場人物として、これからわが町の身近に残る歴史的事象のひとつひとつを、日常生活との関わりのなかで語っていこう。

 小学生の篤志(あつし)くんの素朴な疑問や、人生経験に裏うちされた継彦伯父の柔軟な解釈、さらには若い母親のしなやかな知的好奇心など多角的な視点を織りまぜながら歴史的な事柄を眺め、ときにはミッシングリンクを大胆な推理で補う冒険をも試みるシリ-ズとしてみたい。

 題して「-わが町歴史探索-『伯父と姪の 故知問答』」。故知問答とは、「温故知新」の熟語や「故郷を知る」などを含意する。お堅い人物を指して『コチコチなひと』と形容するが、遊びこころ半分堅さ半分のこち問答の意味をもこめる。さて、これからいかなる展開が待っていることでしょう・・


〔お断り〕
 文中、☆印で前後を囲んだ箇所は、各章のテーマを展開するための基本的なデータ。様々な書物からの引用ゆえ文体もバラバラですが、おおむね原文通り採り、参考文献として注記で、章末に一括表示しておきます。
 その他の情景描写や会話文は、すべて筆者の創作。歴史風味の会話調エッセイとしてお読みください。知識不足からくる誤解や多少の曲解もあろうかと存じますが、寛恕のほどをあらかじめ願っておきます。