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page=6 :地域用水
農業用水は昔から、かんがい用水としての機能以外に、住民にとっては、命の水である飲料水、生活用水、農作物や農機具等洗う、家畜の飲料水、防火用水、消流雪等に活用されてきました。また生活排水や雨水等の受け入れ、地下水のかん義という役割、水路に生息する動植物の保全、そして、子供たちが水と戯れる場所にと、いろいろな機能が発揮できる「地域用水」であり、地域社会の共有資産であります。
近年の社会・経済情勢の変化の中で、農業経営も厳しい状況であり、農家での農業水利施設やその他の地域用水機能の保全が困難になってきています。また、都市化・混住化による雨水排水による災害等の問題が生じている現在、地域住民全体で親しみ、地域に潤いを与える水利施設として、地域に密着し、皆様とともに次世代に継承する必要があります。この事業を推進するために、関係自治体と関係地域による手取川右岸地域用水対策協議会を組織し、用水を「知る」「ふれる」「育む」をテーマに幅広い活動を展開しています。
page=6 :水利施設総合管理システムモデル事業
七ケ用水が管理する用排水施設での利水及び治水体系に変化が生じており、かんがい排水事業、用排水施設整備事業等により水路改修を施工しています。
このことから、取水門、分水工及び堰上水門の遠方操作システム(tm/tc)を導入し、集中管理することにより、農業用水の合理的な配水と降雨時の排水による溢水被害の未然防止等、総合的な用排水管理を実施して、水管理の合理化と維持管理の軽減を図るものです。
その概要は、取水施設の制御を白山管理センターで行い、各々の分水工、堰上水門の制御及び水位・雨量の監視、気象情報等による用排水管理を土地改良区事務所で行うことにより、水管理体系を集中的に管理運営するものです。また、施設管理、農地管理、組合員管理、賦課金管理の効率化を実施するため地図情報システムを構築し、土地改良区業務を支援し、運営の強化を図るものです。
七ケ用水の隠れた秘話-その1-サイホンの分水協定
手取川にかかる天狗橋の左岸詰めを辰口町岩本に下ると、能美平野の2,800haを潤す宮竹用水の起点があり、フェンスに囲まれた3m四方のますに雪解け水が勢い良く噴き上げている。水は手取川を挟んだ対岸の七ケ用水幹線水路から延長350m、直経2.4mのパイプで川底を横断している。これは左右両岸2mの落差を利用した逆サイホンによる分水である。藩政以来続いた手取川右岸七ケ用水と左岸宮竹用水との水争いの歴史は、サイホンが通水した昭和43(1968)年5月29日をもって終わったが、ここまで至る道のりは一波乱も二波乱もあった。大日川ダムの建設に伴って国と県が3:1の分水案が提示され、昭和34(1959)年10月から1カ年半にわたって難航した。昭和36(1961)年4月、両用水役員と県関係者が加賀市山代温泉で3日3晩の息詰まる駆け引きが展開され、「受益面積の比率通り3:1に改めよ」と宮竹用水が主張すれば、七ケ用水とて「石川平野は砂れき質で保水力が乏しく7:1が順当」とやり返す堂々めぐりであった。3日目の晩となり疲れ果てて意見も出尽くした頃、当時の県農林部長が「どうです。ここらで手を打ってくださいませんか」とお願いすると、当時の副理事長がひざ小僧をたたいて立ち上がり、たまたま部屋の隅に飾ってあった一抱えもある大杯に並々と酒をつぎ「よし、農林部長がこれを全部飲んだら協定書に判をついてやる」。農林部長さんは、ここで一世一代の男気を発揮して、息を継いでは、とうとう飲み干し、交渉がまとまったそうです。