発刊にあたって
郷公民館長 東 茂
町民待望の近代的な設備の整った立派な生涯学習活動に供する施設が完成しました事をお祝い申し上げますと共に、かねてからの夢であった郷地区の郷土誌を発刊できました事を心から喜ぶものであります。
昭和三十一年に野々市町に合併した当時は百三十六世帯の純農村地帯でありましたが、日本経済の高度成長の波にのって都市より農村へと人口が流出する中で、この郷地区も国道八号線・バイパスの開通・野々市駅の設置・区画整理事業の実施等に伴なって事業所・住宅が急増し、今日では一千四百世帯を数える程、急激に発展する中で都市化地域へと変わって来ました。
そこで野々市合併の三十年の節目に当たり、地域の移り変わりやそれ以前の村の様子を今のうちに忘れた記憶を呼び起こし、失いかけた記録をつなぎ合わせて郷土誌にし、郷地区の歩みと足あとを、次の世代に残そうと言う話が持ち上がり、公民館の運営審議会で審議いたし、編集委員会を組織して公民館の事業として取り掛かった次第です。
今後、新装なった公民館を核として地区住民の融和を計りながら、生涯学習時代にふさわしいこの施設を大いに活用し住民の皆さんのご協力を得ながら、活気みなぎる明るい住みよい地域作りに、励みたいと考えております。
又、この「郷の今昔」をとおして郷土への理解と愛着をはぐくんでいただくことを、心から念願し発刊の言葉と致します。
平成二年三月