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page=20 :塔(sb1) 塔の基壇は黄褐色の地山の上に暗褐色の粘土を突き固めて造られており、心礎
据え付け穴を中心に東西約8.5m、南北約10.5m の範囲に残されていた。しかし、上面及び周
縁部は徹底的に破壊されており、基壇化粧や雨落溝については不明であった。したがって、基
壇の大きさや高さについては確認することができなかった。心礎はこれまでいわれていた青戸
室石ではなく、手取川の転石と思われる安山岩を用いており、長径2.24m、短径1.65m のほぼ
楕円形の自然石の上面を平らに加工したものである。この平坦面の中央には径58cm、深さ11cm
の丸い穴が開けられており、ここに主柱を固定したものと考えられる。心礎以外の礎石もすべ
て抜き取られており、基壇土の残るわずかな部分に礎石据え付けの根石が4箇所確認されたの
みである。手掛りは少ないものの、その位置関係に恵まれて塔の規模は方3間、各柱の距離が
3.6m で一辺の長さが10.8m となる大きなものであったことが推定された。また、心礎据え付
け穴と根石の高さからみて、心礎は基壇上に上面が露出していた地上式のものと考えられる。