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page=5 :2・高村仮説 泰澄ゆかりの寺で、良く似た仏像が複数存在すれば、それらは泰澄作の可能性がある。また、その数が多くなればなるほど、その確からしさが増す。   高村仮説の限界 泰澄作の可能性はあっても、実証が得られないことがこの仮説の弱点である。実証が得られなければ意味がない、ことにもなるが、続日本書紀など古文章に泰澄の記録がないことから、全国的には、泰澄の存在すら認められていない。そのような状況に置いて、泰澄が刻んだ仏像を通して、泰澄実在の可能性に迫れればそれで良い。
page=5 :3. 浮かび上がった泰澄仏 (1)泰澄ゆかりの寺 石川、福井、滋賀、岐阜、愛知県で泰澄ゆかりの寺を訪ね歩くと、泰澄仏が浮かび上がってきた。泰澄仏が発見された寺を以下に示す。  林西寺、白山本地堂 白山市白峰イ68  明治7年(1874)神仏分離の際、白山頂上の社伝や堂宇に在った諸仏像を   下山仏として安置している。 大兄八幡神社 石川県野々市市末松1-6     大正13年10月発行、石川郡神社誌に泰澄作の虚空蔵菩薩像とある。 泰澄寺 福井市三十八社町 泰澄生誕の地、霊亀2年(716)、夢のお告げにより、白山を開こうと赴く際、父母孝養のために自ら刻んだ自像を安置し、生家を寺院として開いた。  猿田彦神社 福井市冬野町 吹野寺跡、大宝年間(711)泰澄開基、泰澄自作の十一面観音立像安置 大谷寺 福井県丹生郡越前町大谷寺 泰澄11歳(14歳と云う説もあり)のとき本地で修行に入り、その後諸国を巡錫、天平宝宇2年(758)帰山、神護景雲元年(767)86歳で遷化した。 福通寺 (日吉神社)福井県丹生郡越前町朝日7-61 養老元年(717)泰澄により開基、朝日観音伝説が残っている。 波着寺 金沢市石引12-18-1 元越前国一乗谷の麓にあった泰澄開基の寺、前田利家の招きで金沢に移る。 成宗寺 石川県鹿島郡中能登町能登部上イ91 累史には、御本尊泰澄御作と記載。石動山天平寺の初期の仏像が残っている。 神光寺 岐阜県関市下有地 泰澄開基と伝えられ、御本尊、お前立ち共に十一面観音立像、平安時代後期の作と云われている。