長池キタノハシ遺跡は室町時代から戦国時代を中心とした集落遺跡で、1990・91年(平成2・3)に発掘調査が行なわれました。
発掘調査の結果、東西と南北に伸びる道路状遺構があり、それに沿うように地割の施された宅地が確認されました。宅地には掘立柱建物跡、井戸跡、室状遺構がセットを構成しており、同じ宅地内で多いところでは6回の作り変えが行なわれた状況が確認されています。
出土遺物には土師(はじ)皿(カワラケ)を中心とした土器が多く出土しています。その他には珠洲焼、越前焼、加賀焼といった比較的近くの窯で焼かれた壷や甕、すり鉢、遠いところでは瀬戸・美濃の陶磁器類や中国産の青磁・白磁等が出土しました。当時の農村部での暮らしの一部や、地域を越えての商品経済のあり方をかい間見ることのできる遺跡です。(本36)
出土状況(石臼)
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