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page=15 :脱穀(いねこき)九月中旬になると、数回の地干(じぼ)しで乾燥させた稲が、さらに十数束をひと括(くく)りにして、荷車などで納屋に運び込まれる。集落近辺の田はそうでもないが、遠くにある田からの運搬は、それ自体が力仕事となった。
納屋には、電動モータを動力源にした脱穀機が据えられ、一束づつ籾を落とす。結わえた稲は、穂先部分を十分に広げ、束も裏返して脱穀する。回転胴に刻まれた藁の先端は、土埃とともに作業場内に舞い上がる。作業に伴って出てくる汗に、この埃が付着し肌をちくちくさす。そのはしかさが辛い作業である。
藁も俵や縄の材料として、アマ(納屋の2階)へあげ、積み重ねて冬仕事まで保管された。中学生くらいになると、藁をアマにあげるのを手伝うことは、当然の分担だった。
ここに掲載したものは屋外での脱穀だが、天候に左右されない秋納屋(あきなや)での脱穀が一般的だった。