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page=21 :耕耘機(こううんき) 幼い苗の根付きや田植え作業を容易にするため、一度耕した田に水をはり、さらに細かく砕土(さいど)しながら攪拌(かくはん)することを代掻き(植え代)という。写真は荒起こしする耕転機。代掻きでも薄い円形の鉄板を回転させる馬鍬に比べ、そのスピードと仕上がりの美しさは、導入当時には目を見張る出来事だった。
昭和28年数戸の農家に導入された耕転機は、30年には町内で100台を越えていたという。牛馬に代わって、高能率で作業できる耕転機だが、反面、それは高額な購入資金が外部に流失することを意味し、機械化貧乏という言葉を生み出す発端ともなった。 11
二条田植え機 昭和45年に青壮年連盟が「機械田植え播種(はしゅ)講習会」を催している。富奥地区に田植え機がはじめて導入されたのは46年。木箱に籾を播き、ビニールハウスで育苗するという方式とセットだった。三葉が展開したばかりの、細い苗を植えるため、田植機導入の1・2年は欠株が不評をかっていた。
しかし農家の若年層が他産業に流失し、農家労働力の確保が難しくなっていたこともあって、その後、田植機は急激に一般化していった。