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page=26 :畑苗代 国を挙げて米の増産に取り組んでいた昭和20・30年代には、農業技術の改良が相次ぎ、なかでも健苗(けんびょう)育成が注目された。伝統的な水苗代から、燻炭籾殻(くんたんもくがら)と油紙を使用した保温折衷苗代(ほおんせっちゅうなわしろ)、そして佃状態の苗床(なえとこ)にビニールを被せ、発芽や初期生育の促進を図った畑苗代(はたなわしろ)へと変転した。電熱温床による育苗法も試みられたが、30年代から、機械による田植えが普及する40年代後半まで、この畑苗代による育苗法が主流をしめていた。  4月中旬まで気温の上下が激しく、その間の育苗に不安を抱いていた北陸の稲作にとって、これは画期的な技法だった。後にはスタム乳剤など、稲に混ざって発生する稗(ひえ)を枯死(こし)させる除草剤の出現なども伴って、田での農作業の軽減にも役立っている。