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page=61 :獅子舞(中林) 10月の春日神社の秋祭り、豊作年に限り獅子舞があった。獅子を出すことが決まると、旧盆前から青年たちが練習を始める。太刀や薙刀(なぎなた)・棒には四武川流や戸田(棒)流などの型があり、古老が教師役を務めていた。  獅子の胴体部カヤの中に、笛や三味線・太鼓など噺子方を務める芸者が入っていたが、自動車のない当時は、自転車の前後に一人づつ載せて松任まで送迎していたという。粟田の白獅子が雄で、中林は雌獅子と言われている。一時中断していたが、昭和52年より両集落とも復活した。
page=61 :お田植え式 平成8年5月、中野茂信(三納)さん方で、献穀田のお田植え式が行われた。  谷本県知事ら80名あまりの招待者や一般参列者が見守る中、手甲脚絆(てこうきゃはん)に白足袋姿の中野加奈・長田真由子さんらが早乙女を務め、式は行われた。  化学肥料や除草剤などの農薬が使用出来ないなど制約の中で、10月末に中野さんは無事皇居で献穀を終えられた。  富奥地区では、中島栄治氏(太平寺)、村上弥三郎氏(新庄)、近くは昭和60年の小林孝次氏(上林)についで、5回目の栄誉である。