聞き書 野々市よもやま話

目次
第1章 野々市 旧町の成り立ち
第2章 年中行事
第3章 子どもの遊び
第4章 町民のくらし
第5章 人生の一生(人生の礼儀)
第6章 町民の信仰
第7章 くらしと川
第8章 交通 馬車鉄道から松金線へ
第9章 農業の移り変わり
第10章 商工業の発展
第11章 盆踊りと野々市じょんから
第12章 昔話・言い伝え・俗信
第13章 変わり行く町の景観
第14章 町の発展に貢献した人々
第15章 町並み散策・歴史探訪
資料編

発刊にあたって

野々市公民館館長 西尾 敏外


 野々市町は、昭和の大合併を起点とし、今年五十周年を迎えています。 この記念すべき年に本書が発刊の運びとなったことを、心から嬉しく思っております。
 事の発端は、諸先輩から、本町地区の昔の様子を後世に伝えてはどうかと相談されたことにあります。 時代の急速な動きや街並みの変貌、人の出入りを考えれば、機会を今に置いて他にはありません。 そこで平成十年三月に野々市公民館運営審議委員会にお諮りしたところ、皆様より快諾を得ました。
 早速五月から長老、古老の方々に取材を致しましたが、一人では思い出せないこと、不確かなことが続出し、とうていまとまった文章にはなりませんでした。 そこで本町一丁目から四丁目及び住吉町の七十歳以上の方全員にご案内をし、各町内会ごとに座談会を持ちました。 各町ごとに延べ三十回近くとなりましたが、座長の巧みな進行と大勢の記憶の補い合いとで順調に昔の様子が明らかになってきました。
内容は、大正元年から昭和三十年頃までの本町地区の行事や冠婚葬祭、子供や大人の暮らし方、伝承や風習、景観や歴史などで、なるべく多岐に亘るように配慮しました。
 また、コラム欄を設けて写真や本文とは違った話題を載せ、広がりのあるものにしたつもりです。 写真は昔の欲しい景観や伝承文化、遊び、風習の映したものが得られず苦労しました。
 ともあれ、編纂委員、座長委員の皆様と共に一心に取り組んで来て、瞬く間に六年八ヶ月が過ぎてしまいました。 今ようやく発刊の時を迎えて感慨深いものがあります。この間、御尽力いただきました委員の皆様や諸先輩に改めて深く感謝申し上げます。
 今は、本書が我が町の歩みとして、学校教育や生涯学習の場で活用され、人々の古里を愛する心の一助となることを念じています。

 平成十七年二月

・発行者野々市公民館
・発行日平成17年2月1日
・web編集(公財)野々市市情報文化振興財団