独学・ふるさとの歴史研究

 昭和11年、12歳の時に父親から買ってもらった「児童年鑑」を読んで歴史が好きになり、また野々市町小史の著者・行野小太郎氏が父親といとこであったことから、ふるさとの歴史研究に興味を持つようになりました。

 わが町は古く平安時代から室町時代にわたり富樫氏の居城を構えた加賀の旧都でありました。長享の一向一揆(1488年)後、藩政期の郷土は宿場町として栄えたところです。
 このふるさとの歴史には史実とともに多くの言い伝えや諸説があります。そこで私は、先人の方々の文献や資料をもとに、独自に富樫ゆかりの地を訪れたり、子孫末裔に手紙を送って調査研究を重ね、その間の村人の暮らしと近代期のあゆみに至るまでをまとめました。

 これまで25編ほどの冊子にして町立図書館などに寄附してきましたが、このたびより多くの方々に目を通していただいて、特に若い人たちに「ふるさとの歴史文化」に興味を持っていただくことを望み、インターネット版「独学・ふるさとの歴史研究」として再編集していただくことになりました。

 六百有余年にわたり、当地の豊かな歴史が息づいていることに熱き想いを抱いており、町民の多くのみなさまと野々市の歴史を語り後世に伝えたいと念じています。

 史実や伝説に欠ける点も多々あると思いますが、町民の多くのみなさまに教えていただければこの上ない喜びといたします。

 平成23年1月  嶋田 良三