[part1]
昔は病気にかかっても薬などがなかったので、わが村のような百姓ばかりのところでは、野にある薬草などを土用に取ってきて蔭干しにしておいて飲んだのであろう。頭が痛いと、梅干しなどを両方のこめかみにはって寝たものである。
また、衛生的でない家の構造から、のみやしらみなどのいることを、あたりまえと思っていた頃だから、日光消毒なども知らないような村の百姓達には肺病なども多かったらしい。そのほか腸に寄生虫がいたり、到底考えられない昔の治療法が長い間操りかえされてきたらしい。冬の凍傷などは「しんばりが切れた」といって烏瓜の湯で治療した。富山の売薬が唯一つの治療薬として重宝がられていたのである。
[part1] part2へ >>