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==俗信==

 

二 俗信

 お宮で怪我したらなかなかなおらぬ

 精進上げすむまで神社の土踏むな

 神体直接見た者目がつぶれる

 お宮の木を柱に使えば家はつぶれる

 お宮で小便するとチンポが曲がる

 メンスの時鳥居をくぐってはならぬ

 神様のお下り、女の子が食べると縁が遠なる

 白蛇は神様の使い

 丑の時参りに、人に見られると願が消える

 丑年生まれは惣領を追い出す

 高山に女登ると必ず罰が当たる

 地蔵さん倒れりゃ洪水がある

 足で火を消すと家ァもえる

 川へ小便こきゃチンポァはれる

 葬式の行列、宮の前通ってならぬ

 友引に葬式すると、また人ァ死ぬ

 三人で写真とると真申の人ァ早死する

 寝言に返事するとその人早く死ぬ

 夜爪切ると親に早く別れる

 箸太鼓打つと親に早く別れる

 葬式の花貰うてくると家人が死ぬ

 お祝儀のフクサに落花模様を用いると嫁若死

 葬式帰りに他家へ寄ってならぬ

 魚とっている夢は親類に死人が出る

 火葬の煙が村にかかれば近く村に死人あり

 裸で小便に行くと親の死身に会えん

 帯を切ると早死する

 夜梅干食うと目がうすらむ

 帯を枕にして寝ると長病にかかる

 人の足の裏かくと病気がうつる

 爪を焼いたら熱病にかかる

 枕をおもちゃにすると親が頭痛になる

 茗荷食うと頭悪うなる

 風呂で歌うと頭がはげる

 屋敷に枇杷を植えると病人絶えず

 左義長の火で焼いた餅食うと風邪引かん

 朝梅干食うと難をのがれる

 冬至に南瓜食うと中風にならぬ

 元日に茄子柄焚くと中風にならぬ

 唐きび毎日一粒づつ食うと中風にならぬ

 椀に箸立てその水飲むとシヤックリ止る

 めもらいはニンゴで結んで燃やすと癒る

 善光寺の草履でイボこするとすぐ落ちる

 菖蒲湯に入ると腹痛にならん

 百日咳は墨の手形百人に見せりや癒る

 子供のハシカ赤飯桟俵に乗せ川へ流せば癒る

 蜂にさされたら墨で九の字書けば癒る

 箒を枕にねると酒の酔が醒める

 土用うしの日にウナギ食うと息災

 火葬の火で煙草をのむと歯強くなる

 下歯抜けりや屋根、上歯抜けりや軒下に置くと生えやすい

 魚の骨がのどにかかったら象牙でなでるとよい

 初物食べると七十五日長生きする

 日さんに指すかして眺めると長生せん

 茶柱が立つと縁起がよい

 ご飯を食べてすぐ横になると牛になる

 精進日に魚や肉類食うとロがゆがむ

 赤飯がこわいと嫁さがこわい

 濃い茶を含むと顔にシワが多くなる

 着物を右前に着るとその子は死ぬ

 爪に白い斑点が出ると着物があたる

 他人の新しい着物を着ると着物が授からん

 尾根が三ッもある家を建てると不幸が重なる

 椿の花を生け花にすると首が落ちる

 古井戸にゴミを捨ててはならぬ

 庭に銀杏を植えると強情になり不幸になる

 井戸跡に建物たてると主人早死する

 家にねずみがいなくなると火災がある

 三リンボの日に建前すると必ず倒れる

 井戸を埋める時、青竹を一本立てておくこと

 便所掃除すると美しい子が生まれる

 コロコロ団子を大黒柱にブツけると性別が分る

 指に逆むけの出来るのは親不幸である

 妊婦に火事を見せると出生児にアザがつく

 左義長の火で書初めが上がると上達する

 日暮れに男の子が外出すると天狗に捕られる

 子供の火遊び寝小便たれになる

 頭に旋毛が二つあると二つの土蔵が持てる

 女に初なり物を食わすと翌年より結果少い

 泣き真似すると早く親に別れる

 食指の長い者は親より出世する

 眉間にホクロ、唇にアザある人は幸福になる

 目と眉の間の長い人は遠方へ縁付く

 イロリの鈎をおもちゃするとドモリになる

 ねずみ年の嫁は小金を溜める

 丙午生まれの女は主人を食い殺す

 とんぼやせみを逃してやると盆に金持ってくる

 午年生まれの女児には「外」の字をつけよ

 四十二の二ッ子に「捨」の字の名を付ける

 子供の頭に箱などかぶせると背が伸びない

 額(ひたい)に怪我すると出世しない

 雑巾を逆しぼりする人は世帯持ちへ嫁にいく

 鳥が鳴くと人が死ぬ

 死烏が鳴くのをきいた人は死なぬ

 猫のひげを切るとねずみをとらない

 遊びごとの順番を左回りにすると懐へ蛇が入る

 みみずに小便かけるとチンポがはれる

 小鳥が家の内へ飛び込むと縁起がよい

 馬が家に飛び込むは吉兆なり

 蛇の夢をみると金持ちになる

 眉にツパをつけると狐にだまされぬ

 土蔵の蛇は捕ってはならぬ

 雨蛙が鳴いたら雨が降る

 正月十五日果樹に傷つけ粥を食わすと実が多くつく

 菖蒲湯の菖蒲を頭に巻くと蛇にかまれぬ

 ねずみ年の男は一生食う心配ない

 元日いろりへ足出すと苗代へ烏が入る

 てるてる坊主を小枝に懸けると晴れる

 流れ星見ると不吉なことあり

 夜中に鶏が鳴くと凶事の兆あり

 正月の福豆汲んだ者ァ良いことがある

 月の一日に金遣うとその月は支出多し

 掌の大きい人は幸福なり

 耳が大きく起きている者は一生幸福なり

 朝は右、夕は左の耳痺きは吉事あり

 うどんげの花咲くと最上の吉事なり

 一月二日牛の夢みると良いことがある

 身体を始終ゆすぶる者は貧乏する

 馬がいななくと吉事の前兆

 風呂敷を首に巻くと盗人になる

 風呂敷を頭にかむると気狂いになる

 一つ雷大雪の前兆

 下駄を投げ裏が出ると雨、表が出ると晴

 フクロオが鳴けば晴、ハトが鳴くと雨

 鳥の水浴、雨天の前ぶれ

 猫が仰向けに眠れば天気よい

 山が近く見えると雨近し

 太陽に環が出来れば雨の前兆なり

 障子に鳥の影が映ると客が来る

 相撲を木の上から見ると相撲とりが怪我する

 夜中坊さんに会うと吉事あり

 焚いている薪から水気が出ると必ず来客あり

 鉄瓶の湯を沸騰させると隣りへ金が移る

 着物着たまま縫うと他人から疑いをかけられる

 嫁取りの家へ石投げるとその嫁は離婚しない

 餞別にハンケチを贈ると縁がきれる

 箒にほうかむりさせて逆さにすると客は帰る

 客の下駄の裏に灸するとすぐ客は帰る

 大晦日に飯を余らすと女の子が生まれる

 目に埃が入ったら鼻をつまんでツバ吐くととれる

 足がシビレたら藁スべ額に張ると癒る

 親を横目で睨むと喋のように目が横に傾く

 死人を西向き北枕にすると極楽へ行く

 空家に南無阿弥陀仏と書いておくと天狗が入らん

 空家に数珠懸けておくと天狗さん入らん

 男の子が天狗に捕われたら鯖食った○○と叫ぶ

 狐をいじめると必ず仇する

 朝虹は雨になり、夕虹は晴れになる

 朝焼けは雨、夕焼けは晴れ

 鐘の音近ければ雨近し

 星のまたたき強ければ大風

 便所や下水の臭い強ければ雨ふる

 魚が水面に浮かぶと雨降る

 朝曇は晴、夕曇は雨

 古傷やリュウマチが痛むと雨

 夕方草露、明日晴

 燕が低くとぶと雨

 夕空紺碧、朝霜の兆

 夕立三日続く

 東雷雨持たず

 朝のピッカリ、姑の笑顔(後が恐い)

 西の雷必ず落ちる

 しもやけが痛めは翌日天気

 寒の雨、夏は寒さ雨

 寒の照ゃ雪、夏暑く雨少ない

 梅が豊作なら米も豊作

 米豊作で松茸不作

 冬凍り強いは豊作の兆

 朝クダリ夜のアイ天気続き

 南風強いと翌日雨

 大雪は豊年の兆

 返り花咲けば大雪

 もずの刺し餌、高けれは大雪

 大晦日に早寝すると白髪と雛が多くなる

 朝見た夢は正夢

 夜の蜘妹は盗人の使いで縁起悪し

 便所を埋める時人形を入れると障りなし

 火を足で踏み消すと家がもえる

  

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富奥郷土史