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==方言==
(アの部)
アアン 「ナニ?」反問する言葉。
アイ 「はい」の返事。北西の風。
アイマーニ 「たまに、時々」
アオダカス 攪拌する。人をおだてる。
アオニサイ 未熟な者を罵倒する言葉。
アカサ 嬰児。
アカべ(アカミ) 肛門、ベは卑賎の形容、アイヌ語の陰部。
アカの他人 全くの他人、アカは「真赤な嘘」と同意。
アキズスメ(ミ) 寺(僧侶)が秋初穂を檀家から受けに集め回ること。
アクショモソ 飽き性者。
アグソカブル 第三者が迷惑を蒙ること。
アグタマシ かさ高な、混雑な、厄介な、面倒くさい。
フグチ(アグラ) 安座、男が前に足首を組んで座ること。
アグリ出る あふれ出る。アサイ 朝食。
アサイオリ アサオリともいう、朝食後仕事場に下りること。
アサイガリ 朝前仕事場から上ること。
アシメル あてにする。
アシタト 明日、または明朝。
アシ(セ)クル あせる様。
アシ(セ)クラシイ 「あせない」忙しくて面倒。
アジチ 分家、世帯出の新宅。
アジコト 心配、案じること。
アジサガス 撹乱すること。
アスブ 遊ぶ。
アダケル 騒ぐ、気ままな挙動。
アタシ 私の訛。
アチチ 熱い。
アチヤ 勝負事に完敗して一文なしになること。
アツクラシイ 暑苦しい、厚過ぎる。
アックーリ 事を終えた後の疲労と安堵の脱力。
アテガイナ うさんな、確かでない、無見当。
アトクサリ よくない結果、後の始末。
アトナシ 後ほどの仕返し。
アニキ 兄さん。
アネマ 姉さん、年上の女。
アバタンコ 肩車。
アバタモン 放蕩者、家政を乱している者、締まりのない者。
アバラダシ 肋(あばら)出し、自暴自棄な振舞。
アバ 一生結婚しない婆さん。
アバアバ 水に溺れてバタバタすること。
アブル 焼く、餅をアブル、燃やすと異る。
アブ(ポ)シコポシ 物を粗末にする、効能なく消費すること。
アマ 農家の屋根裏、ワラ・薪を入れる暗いところ。
アマツボ 南西の方向、雨雲の出る方向。
アマチャカナ 軽々しい、簡単な、たやすい。
アマサ 尼僧、尼さん。
アマチョロイ アマチャカナと同意。
アモリャナイ 手ごたえがない、締りがない、自省判断がない。
アヤマチ 負傷、怪我。
アラッコ あらあらしい。
アライシテ 「あらまあ」感動詞、「アラシテ」ともいう。
アラモト 籾と米の混合物。
アリャアリャ 「アーリャー」感動詞、驚嘆の声。
アワアワ 赤ん坊をあやす仕草、口に掌を当てて発音する。
アンカ 兄、長男の青年。
アンサマ 右の敬称。
アンニャ 右の卑称。
アンマ 青年男子、青年の二男三男の呼び名。
アンニャマ 中年の人妻、料亭の仲居頭、アネサマは敬称、ニャーニャは普通称。
アンチ 「アンチャン」の略、長男の少年を呼ぶ。
アンゴタ あごのこと。
アンカ 土製の火桶で冬寝る時温めるもの。
(イの部)
イイ 「結ひ」のこと。又は「ハイハイ」と同意の返事。
イイカゲンナ 「アテガイナ」と同意、うさんな。
イイサガス 言いまくる。
イウニモコトカイタ 言うにも程がある。
イカレル 駄目になる、または強者に屈服する。
イカナコトカッテ どんなことがあったとして。
イカナテテ 如何しまして、何んでにー。
イガイ 里芋、百合根など生煮えのエグイ味をいう。
イキャクシタ 度肝を抜かれて反撥出来ない様。
イキネ 脇腹肋骨の痛み。
イキスタイテ 息もきれざれに、急ぐ様。
イクイトル 錯覚、狂乱の傾向があり変になっていること。
イクシェ よこせ、または「イクソー」ともいう。
イケ 井戸。
イコ 竹籠の小さな入れ物、腰につける。
イゴクソ悪い 意地悪い。
イゴロフク 文句をいう、不平をいう。
イサドイ 自慢らしい、または立派な。
イサル 威張る、カラ威張り。
イサカイ 喧嘩、争い。
イザワルイ ねたみ心。
イザコザ トラブルのこと。
イサイコト 長いこと。
イジタラシイ うるさい。
イジル 意地悪をする。
イタッタ 贅沢な。
イチャケナ 無邪気で可愛らしい。
イチガイモン 強情者。
イツケ 風呂に使う手拭で、何枚も合せて縫ったもの。
イッコ 大麦を煎って粉に挽いたもの、いりこともいう。
イツク 泥水など沈澱して堅く固まること。
イツキカモ いつもいつも、常に。
イップクシタ 大変困ッた、手に合わん、手こずる。
イッシキノコト せめてものこと。
イズミ 縄をあんだ入れもの、背負うもの、山村に多く使う。また幼児を入れるつぶら、飯ビツの保温にも使う藁細工。
イッサンバライ その場限り、後の利用出来ぬ。
イドクラシイ くどくどしい。
イトシビニ 有難う、お気毒な「イトシべニ」ともいう。
イトシゲニ 右と同意「イトシギニ」ともいう。
イドル グズグズ小言いう、またむし暑いこと。
イトソ 麻をいう。
イナオリ、イナオリ 地震の時鎮める呪い言葉。
イバラボタン バラの花。
イバマク 酒に酔うて乱暴すること。
イバラ 右のようなくせのある人、棘のあるバラのこと。
イビス ゆべし、寒天で作った料理。
イビル 小言を並べて意地悪をいう。
イマンニ 後に。
イマイマシイ じれったい、またはうるさい。目障りになる。
イミズリガエル 生きかえる、よみがえる。
イモクシ あばた、痘痕の顔。
イヤムリニ いやと言うのを無理に。
イヤテイエソ 成るほどその通りだ、無理もないこと。
イラッシャラン 来られない、居られない、「イラッシーン」ともいう。
イリゴ 屑米、これを粉にして団子をつくる。
イリリ 囲炉裡のこと。
イロツポイイ 顔色が健康そうでよい。
イワッタ 困った。
インチキ にせもの、いかさま。
(ウの部)
ウキヤマイ 体がうるむ病気、水気をおびてはれる病。
ウケダ 小作している田。
ウサンナ 疑問の多い、完全でない。
ウザ(ヅ)クラシイ いやらしい、面倒、怪奇でいやらしい。
ウシナケル 紛失する。
ウソ 雪道草鞋と共に履く藁で編んだ足指保温の履物。
ウタテナ 心配な。
ウタヨリサヨリ 鼻歌など唄ってのんきで楽しい気分。
ウチアゲ酒 娘の家へ婿方から結納を持ち込み婚約の宴を催すこと。
ウチワ 近親者同志、または家族同志。
ウツクショウ いつもかもしきりに、執念深く。
ウッテツケ ちょうど似合い。
ウラ 北方、また年寄りの「私」の意。
ウラニシ 北西の風、アイの風と同意。
ウリヤ 畑のこと。
ウルッシャー うれしやの意。
ウレ(ロ)オボイ 不確実な記憶。
ウンチ 大便のこと「ウンコ」「オンコ」ともいう。
ウンデンバンデ 大違い、雲泥万里の訛か。
ウントモスントモ 何んともかんとも、全然返事、反応がないこと。
(エの部)
エエコト よい車。
エライ 苦しい、ひどい、大変な。
エラソーニ 立派なように見栄を張るをいう。
エリー 意に合わん時に発する感動詞。
エークソ 反抗の腹立ちに発する感動詞。
エンゾ 溝のこと。
エンバナ あいにくな、無調法な。
エゴフク 厭味の文句をいう。
エガワ 小川。
(オの部)
オイソ 遠い所。
オイゴ 川に伏せて川魚をとる竹籠、追い込み籠。
オイヤ 目下の者に対する返事。
オエ(イ) 農家の居室、囲炉裡のあるところ。
オエサマ 御家様、寺僧の内室をいう。
オカツゴ 御講座で集める賽銭。
オカマツリ うか祭の訛、十二月十五日奉公人任期替の日。
オカイドリ 花嫁が結婚式に着るうちかけ。
オカッシャイ お止めなさい。
オーキムナイ 乏しく少ない。
オクモジ 菜根共に刻んで漬けた大根漬。
オククチ 思い違い。
オーケラシ 豊富で沢山な。
オケソク 仏前の供物。
オーケン 凡そ、大体。
オゴル 酒肴など他人に供与すること。
オコリ マラリヤ病のこと。
オシズカニ 人と別れる時の挨拶、さようならの意。
オジ 弟、二男以下の者の呼称。
オジマ 右同意、「マ」は愛称の接尾語。
オソラト 遅く。
オソラート 遅いめに。
オゾイ 粗悪、下等、劣等、見下げたこと。
オタイヤ 御逮夜、命日の前夜、午後の法座、空費空動していること。
オダワラ 羅紗マントに似た防寒外被。ウダワラともいう。
オタンジ オタンジョともいう、仏供飯器を入れる箱。
オタンキ お手向けの訛、神仏の供物。
オチャバコク こびへつろうこと、オチャバタレルともいう。
オチャベンタレル 右同意。
オッチョコチョイ 軽卒な者。
オッサマ 叔父、伯父さま。
オツクバイ 正座すること。
オーツリ 貰い物のお返し、受け取りのしるしのお返し。
オッカリーント うっかーりと、ポカーンとしていたこと。
オテンコ 丸髷の髪型。
オテッペ(ピ) あたりまえ、遠慮せず平気な様。
オート 大戸、玄関の大戸、潜り戸が付いている。
オドリャ 喧嘩の相手を罵倒する呼びかけ声。
オードナ 物を荒々しく粗末に扱う様。
オトマシイ 惜しむ様、出し惜しみの様。
オドツケナイ 沢山の形容詞、悪く言うことの形容、惨酷なことの形容。
オバゴト ままごと遊び。
オバサ お叔母、お伯母さま。
オブ(ボ)ッキサマ 御仏器様、仏供飯の器。
オブレル 恐れる、驚いて恐れる。
オボッサマ 仏飯様。
オーボー 応答の贈与、交際上の贈答。
オム(モ)スビ 握り飯。
オモヤ 本家のこと、お母家(もや)。
オモシ 重石、漬物桶に置く石または圧力。
オモッシ 面白い。
オモテ 南の方向。
オモテ祭 本祭。宵祭、裏祭に対して表祭。
オヤケ 大家、資産の大きい家。
オユルリト ゆっくりと。
オランダニ 茄子のゆで汁をすてて更に味つけて煮た茄子料理。
オレトゲル 仏前礼拝をすること。
オロカナ 素直で柔順な、オロカシイ、オロケナイとも言う。
オワタマシ 仏壇を新調、交換した時の御遷仏法事。
オンボラート 思うままに、誰からも邪魔干渉なしに。
オン 返事の声、「ウン」と同意。
オンコ 「ウンコ」ともいう、糞、大便のこと。
(カの部)
………ガ ………のようなもの、あんなガ欲しいガヤ。
カアーカ かあさん。
カイド 前庭、カドの転、垣内か。
カイモチ、 カユモチの訊、おはぎ。
カイショムナイ 甲斐性もない、のろまの意、物事をテキパキと出来ない。
カイコンドル 鍬の柄と刃の部分の角度が小さいこと。
カイニ 一向に、とても、カイモクの意、副詞。
カイブシ 小鰯をゆでて干したもの味付用、生鰯の干したものを煮る食品。
カイナミ 一面、全部、すべての意。
………カイ 疑問、反問のカ、親しみ愛称のイ。
カカリカンべ 場あたり次第、無責任、無計画、出放題な言動。
カカァニョライ 夫から崇拝されている妻、カカ如来、如来は仏。
カキマワシ 水田の草取り、株間を掻き回す作業。
ガキドモ 子供の悪称、敵対的悪称、ドモは複数。
カキモン 掛軸のこと。
カキ(ク)モチ 乾餅のこと、薄いせんべいの如き乾いた餅。
カクセツ 食べ物や金銭を出し合って御馳走を食う催し事。
カザカス カザは「香り」、カスさま「かく」。
ガサ 粗雑、綿密の反対。
カサダカ 大げさ、大量、大きな負担。
カシナ 裏返し、着物などカシナに着る。
ガジメル こらしめる、いじめる。
カス 蛮勇者、見栄を張った勇者。
ガセ(シ)ロー 争う、せり合う。
カタネ できもの、腫物の病名。
カタイモン 真面目、温厚、従順な良い子。
カタウリ しろうり、越瓜ともいう、奈良漬等にする。
カタグ 担ぐの訛、肩で担ぐ場合。
カタデ 全然、初めから、少しも。
カタミウラミ 依怙贔屓、偏重すること。
カツコ 体裁、風態、態度の外面。
ガツク 気付く、かくし事を推察する。
ガッシリ しっかり。
ガッサイナ 粗雑な、精巧でない、粗末な。
ガッパ できもの、腫物の病痕。
………カテテ かと言って、怒ったカテテどうにもならん。
カナシイ 恥かしい。
カナワシイ 不足目、これだけの金で買えるかどうかカナワシイ。
カナ(ネ)クリ 子供などの手足が至極冷たいことをいう。
カブシ 干魚、昆布、油揚など味出し物の総称。
カマテ 田の畦の外側の周囲。
ガマナ 横着な、勝手な、インチキな、反則的な。
カム 隙間へ物を押し込むこと、カマスともいう。
カメル 皮膚と皮膚の間や植物の葉が繁って通気が悪くて病状を起こすこと。
ガメキリ(イリ) 水田の土塊を細かく砕く作業、畦塗り準備にする。
………ガヤ ……のです、「あげたガヤ」 「こりゃどいガヤ?」。
カラ 農具などの数単位、車三カラ、鍬四カラ。
………ガラ 共の意、「三人ガラ男の子じゃ」。
………カラニ ……にもかかわらず、「知っとったカラニ教えてくれんさかいに」。
カラク(ウ)サンナ 確かでない、ややこしい、誠意、真面目さがない態度。
カラスニナル 炭火が燃えて白い灰になるのをいう。
ガリンボ 瘠せて細い者、ボほ坊で愛称。
ガンマクモン 頑固で豪傑者、向う見ずの度胸者。
カンサマ 神様の訛。また仲人のこと。
カンボ 妾(めかけ)、オカコイ女。
ガンド 強盗の訛。
カンショ 大便所。
カンドル 取引の間に内密にリベートを取っていること。
(キの部)
………キ ……ですか?、いらんキ、行くがキ、そうキ。
キザエル 蛮勇で騒ぐ、虚勢で騒ぐ、ふざける。
キ(ケ)シカケル 争いに勢をつけてやる、そそのかす。
キジョシトル 機嫌をとる、相手の気に合うよう動作する。
キズイナ 無愛想な。
キズム 危ぶむ、危険を予想して躊躇する。
キセッツケル 強く押す、強く圧迫する。キシッケルともいう。
キセタオス 強く倒す。
キチーント 整然と。
キツイ 強い、厳しい、酷しい。
ギッチョ 左きき。
キナルイ 羨しい。
キネマキ 正月に飾る餅、大きな餅に棒を刺して柱に吊るす、男児の祝い事。
キバル 祈る。
キビショ 急須(きゅうす)。
ギヤァーロ おたまじゃくし。
ギャワズ 蛙。
キャーハル 気を張る、偉い人、高位の人に対し気を遣うこと。
キョビ この頃、今の時節。
キラバ 稲を固めて積み上げたもの、稲によ。
キワドイ もうちょっとで危険なところ。
キンカン頭 禿げ頭。
ギンマイ 競争。
(クの部)
クウートスル すぐ腹が立ツ、急に腹立ってくる。
クイダス 食費を節約して貯蓄する、反対にクイコム。
クサイ 怪しい、様子が変だ。
クサ祭 四月上旬紫雲英の繁茂を祈る祭で休日のこと。
クジマク 感情的に文句をつけて喧嘩をしかけること。
グズ グズグズしてハッキリしない者、また糯米の中に白くハゼない米粒をいう。
グスナ 人目を盗み欺く、グスカマス。
グズル グズグズ言う、ハッキリしないでしつこく文句を言う、またしっこく物を乞う。
グズツク 右意の主動的なこと。
クダラン クダラナイの訛、つまらない、愚鈍なこと。
クダリ風 南または南西の方向から吹く風。
クタンシ 下さい、丁寧な言い方。
クタイ 下さい。
クチブラ ロびる。
グズグズ 甲斐のない、仕事に手間どる様。
クドイ 執拗に。または塩からい。
グノビ 一時にグッと伸びる、必要以上に長く伸びること。
グノミ 噛まずに一口で呑み込むこと、グットノミともいう。
クラカケ 脚の長い踏み台。
クリマ くれよ、目下の者に対して請求する呼びかけ。
グル 共謀の仲間。
グルジ 周囲。
クレンコ くれないか?目下の者に対し質疑的請求の呼びかけ。
グワチコク 自慢する。
グワチャ 大きく円く扁平な顔。
グソシ 要衝よく巧知をめぐらす利己的智恵のまわる人。
クンドガキク 手ごたえがある、効き目がある。
(ケの部)
………ケ か?ですか、ああケ、こうケ、敬意の質疑。
ゲ 嘔吐のこと、ゲをする。
ケカムク そしらん顔、返事もしない顔付、人を馬鹿にした態度。
ケコラガス 放り出して構わない、無責任な態度、放置する。
ケコロガス 足で蹴って転がす、乱暴な挙動。
ゲショ(ゲス) お尻のこと。
ゲスベタ 尻、ベタは卑称。
ケタ(ダ)ツ 踏台。
ケチ 難くせ。
ケチャワルイ 気持が悪い、体裁がつかず悪運めいてくやしい気持。
ケチマカス 相手に難くせをつけて制圧する。
ケツカル 居る、相手を悪く言う卑称。
ケッタイナ(ケツナ)変に怪奇な様を形容。
ケツ 尻のこと、順位の最下位。
ゲット 競争順位の最下位。
ケツぺタ 尻のこと、最下位の順位、ペタは卑称。
………ケル れるの訛、破ケル、破ケタ。
ゲンザラシ わざとらしい、露骨にすぎる様。
ケンソムナイ 愛想のない顔、ツンとすましてこだわらない態度。
ケンドン 籾と米を選別する農具、千石ふるい、万石通し。
(コの部)
ゴ 御汁、御菜の中にある実、液中の沈澱物をゴズミという。
ゴイサレ ご免下さい。
コイツァ 此奴の訛。
コカス 言う、人の言を悪称する言葉。
コキビノイイ 気味のよい、自分に都合よいの意。
ゴキミッサン 御丁寧さま、御懇篤さま、御礼の言某。
コク(キ)ゲ 調子、工合、加減の意、コクゲのよいこと言うな。
コグ 草木を棍と共に掘り取る、抜き取る。
ゴクド 仕事もしない怠けるならず者の卑称。
ゴクドザラシ 右を更に意を強めて称する言葉。
ゴクツブン 無為徒食の者の卑称。
コケル 崩れる、川岸など出水で崩れること。
ゴケワン 木製の大きな椀。
ココラ ここの村、この辺の区域、この家。
コーコ 大根漬の香の物。
ゴコウ縄 幟柱など建てるのに四方八方多く引張る縄。
ゴザル 来られる、おいでる、おられる、敬称。
ゴサンオロス 気を許していい気になって落ち着く態度。
コザカシ 賢(さか)しい、コは強める、配慮よい賢いこと。
ゴザブシ 茣で作った雨具、明治大正時代流行、ブシは帽子のこと。
コシキダ 除雪に用いる柄の長い板。
コジョワシナイ 騒々しい様、コは強調語。
コジソポフル 気にくわずだだをこねる挙動。
コスカソ 好かん、コは強調語。
コスゴイ 気味が悪い気持、コは強調語。
コソヤ 秘密の娼婦置星、売春業者。
コダクサンナ 沢山に豊富な、コは強調語。
ゴタムク ゴタは言葉、ムクは発言、語るの卑称。
ゴダンニャ 揚句には、後段には。
コダネル コネルこと、攪拌してねばりなつける、話合いを重ねる場合もいう。
コーダイモナイ 広大な、立派な、結構な、もったいない。
コチョバス こそがすの訛。
コッサ 落葉のこと。
ゴツイ 丈夫な、強そうな、堅固な。
コットラ こちらの方、自分の方、わしら。
コットーリ 豊富に、沢山に。
コッコロコート 精出してコツコツと働く。
コッペーリ すっかり、全部、残さず。
コーット 物を考える前に発する感嘆詞。
コッパイ 散々困る、始末がつかん様。
コツニアガル 調子にのって勝手な言動を高める。
コデマイ 小手前、財力の少ない者。
コトーント 急に静かに納まる様、副詞。
ゴテラ 共に、一緒に。
ゴードバ 川岸、池辺にある洗い場。
コナメル 見下げる、馬鹿にする、コは強調語。
コネコツケル 話に嘘事を付けて飾る。
ゴネル 死ぬことを惨酷に言う、ゴネムクともいう。
コーネル 藁、稲を結わえる、荷物を梱包する、畦を作る等に言う。
コバシリ 小走り、昔の村の小使役。
コーバクナ 年に似ず大人ぶった言動の様。
コべ 顔の額の部分。
コペンタ 右同意、または女の子供。
コーベッタ 年の割に大人びた言動すること。
コポサ 子供のこと、サは愛称。
コボタ 来た、喧嘩などに使う卑称。
コマクジャ 細かく、小さく混ぜ混ぜに。
コマガキ 細字を書くのに使う細い筆。
コマザライ くまでのこと。
コマセ 年の割に大人らしくませる、コは強調。
コマメ 配慮して真面目に懇ろにセッセと働く、コは強調。
ゴメク 泣くことを卑称。
コメガラト 米唐櫃、米を入れる箱や器。
コラー 叱る時の声。
コンカ 米糠のこと。
ゴンゴ 植物に生ずるむかごのこと。
コンゴロク(キ) 粉徴塵に砕く様。
ゴンボ 牛蒡。
ゴンゲンサン 大寺の住職の尊称。
ゴンダ 精米と粳米を混ぜてついた餅。
コンチクショ 相手を罵倒して奮起する発声語。
コントムナイ つらにくい態度、無愛想な態度。
コンドシカ これだけしか、不足に思う言葉。
ゴンゾ 草鞋を作る材料、ゴンゾワラジ。
コンニラニャ 此の家なんかは。
コソネニャ 此の家には。
コソノシト 此の家の人、「こんにちは」と同意の訪問挨拶。
ゴーワク 残念に思う心が沸く。
コワロ 男の子供。
(サの部)
………ザ 感情的呼びかけの接尾語、見れんザ、見たザ、行くザ。
………サイニャ ……ならば、際には、見せんサイニャ。
………サカイ ……から、それ故に、見んサカイ、知らんサカイ。
………サガス 散らかす、撒きサガス、はねサガス。
サキガタ(サーキ) さきほど、先刻。
ザクル あざける。
サスケル 差し出す。
サッカラ 先程から。
ザッコ 雑魚。
サバサシ 出刃包丁。
ザマのワルイ 体裁、かっこの悪い。
ザラニアル どこにでも沢山ある。
サンニョワルイ 都合が悪い。
(シの部)
ジイーロー 毛虫、ジブラともいう。
シイナ 充実しない籾、赤ザの実。(煮て食う)
ジイマ 爺、マは愛称。
シカンナ 生意気で立派そうな素振り、シカンな顔で。
ジキャナイ いらいらして落ち着かぬこと。
シコタメル こらしめる、いじめる。
シシ 人や家畜の肥えるのをシシが付いた。
シタキ しぶき、飛沫。
シタジ 汁、お菜の汁の部分。
シタッチマタ その通り当然。
………シタ ……られた、行かシタ、帰らシタ、敬称。
シ(ヒ)チベタ 大腿部の外側。
ジックラート ゆっくり落ち着いて。
シッタテル 持ち上げる。
シッペェコク ひどい目に会う、大変困難な目にあう。
………シテ ……しくて、あの娘アーやさシテ、美シテ。
シテソニテン 似たりよったり大差ない。
シテマタ いったいまたどうして、または当然そうとも。
シ(ヒ)ト 自分のこと、シトを馬鹿にしとるなど。
シ(ヒ)トイキニ 度々、いつもかも。
シバレル 寒さが酷しく氷が出来るような、シバルともいう。
ジプキ 雑巾、地拭き。
ジべタ 地面、土表。
シマッシャル なさいます、敬称。
シャクル 急に勢をつけて引っ張る、いじめることにも用いる。
シャクハチ 藁のニンゴを巻く葉鞘。
シャシャリバシコイ こざかしい、心と手足の立ち回りが早い。
ジャチャムナイ だらしない、キチンと始末・整理しない。
シャデ どじょうとりに用いる漁具、竹簾を三角型に組んだもの。
ジャマクサイ 面倒な、邪魔になる、クサイは強調の卑称。
ジャーマ 妻、女の通称だが愚妻の意、ジャーは謙遜と卑称。
ジャマナイ 邪魔がない、大丈夫。
ジャンギリ 頭髪を何の飾りもなく短く刈ること。
ショーコトナシ しょうがない。
ショーシナ 気の毒、情ない。
ショーバケ 死者のかたみの品、衣服調度品など。
ショーズ 地下水の涌き出るのをいう。
ジョーボシ 藁を打つため農家の庭(作業場)に伏せた大石。
ショーベンスル 契約を解約すること。
ショーネ 性根、または一心に思いつめる、ショーネが入らん。
ショートナ 小気で正直な。
ショーダイナシ 分別なし、身を固める世帯根性のない。
ショー(ソ)ムナイ 食物に塩気のないこと、希望のないさびしい心。
ショマナ 不器用な、のろい。
ジョンナコト うまいこと、上手なこと。
ションモヨンナイ どうにも仕様のない。
ショームケン 真正面、ムケンは眉間の訛か。
ジラアメ 水飴のこと。
シワラクサイ 小便臭い香、寝小便の夜具などの香。
シンガイ へそくりの品や金、秘密にかくした財物。
シンバリ 引戸の開かぬようにかます棒。
シンバレ 凍傷のこと。
ジンべ 袖なしの単衣。
シソドーイ 息切れする苦しみ、胸が痛む。
シソマリマンジリ じっと辛棒して、今か今かと待つ心。
(スの部)
ズイ 農用、一行、一条、一畦などの数称。
ズイキ 里芋の葉柄、食べる。
スイノ 粉をふるい分ける小型の篩。
スイヤーリト 美しく伸び伸びした様、副詞。
スゲル ととのえる、必要の人数を集めととのえる。
ズコ 頭。
ズコイキリ 血気にはやる者、蛮勇者。
スサシ 庇、廂の訛。
ズタチ 胸から掛ける前かけ、職人、消防士など用いる。
ズータラクナ 怠けて無責任、身の回りがしまりのない。
ステンポ でたらめ、大げさな言い方。
スネスネト ねちねちとスネた態度。
ズブ 全く、ズブの素人。
スベ 藁の桿を包む葉鞘。
ズポラナ 間抜けな、怠け者の。
ズ(ソ)モト 元々の原因。
ズーラクナ 図々しい怠け者。
ズラムラ こんがらかった、またいつまでもしまりなく延び延び。
ズレッコ 放縦な、出放題でしまりない。
スンプンカンプ ちっとも、一向に、全然。
(セの部)
セイモン 腹を立てる。
セゴ 背中。
セゴカズキ(セゴムシ)クル病。
セセナギ 下水の溝。
セーダイト 早く、副詞に使う。
セド 背戸、庭園。
セワシナイ 騒がしい。
センダリニ 順に。
センザイパ 前栽場、狭い花畑。
センダク 裁縫。
(ソの部)
ソイヤイ 添合い、夫婦で添う一方を指す。
ソウカイニ(ネ) そうですか。
ソウヤトコ そうですとも。
ソーケ 竹籠の一種、竹を細く舟型に組んだ籠。
ソーキ(ケ)イ そうですか。
ソコッタラシ そのあたり。
ソコソコニ いい加減に、大体に。
ゾッパイナ 失礼な、粗雑な。
ソッペムク 横を向く、油断する、注意がそれる。
ソーモナイ 大したこともない、悪いこともない。
ソラアルキ やや凍った雪の朝など道でない雪の上を落ち入らないように歩くこと。
ゾンジミス 思います。
ソソナーリ そのまま。
(タの部)
タアーク 少女。
ダイカラ 全然、少しも。
ダイコ 大根。
………ダイニ それよりかわりに、歩くダイニ自転車で行ケァよい。
ダイサンナ 自慢らしい。
ダイラニ ついでに、休むダイラニ子守するか。
タイソナ 大儀な、ご苦労さんな。
ダイマイナ 高価な、立派な、結構な。
タカククッテ 見くびって。
タカ 百姓の田の持高。
タキインコ たけのこの訛。
タク だまし取る。
ダグラコク ことさら知らんふりする、うさんなふりをする。
タゴケ 肥桶。
ダコべコ でこぼこ。
………タシ あたり、そこらタシにある。
ダシカイ どうか、またはでも平気、行ったらダシカイ、行ったかてダシカイ。
タシナイ 充分にない、不足勝ち。
タジタジ こりごり、困り切る。
ダズル なまける。
ダズム ゆるむ、小休む。
タセ 他の村や部落、他の所、タセの人。
ダチァカン 駄目、らちあかんの訛。
タダゴメ 粳米、糯米に対して言う。
ダダッピロイ ただ広い、しまりのない広さ。
タットキ 短い時間、一瞬。
タッチァイ 夕方。
ダツマワルイ 間が悪い、事の段取りが悪い。
タテル 締める、戸をタテル。
ターボ 女児、タボサとも言う。
タ(ダ)マニトル なぶり遊ぶ。
ダメァワルイ 高低があって平でない。
………タラ ……とか、どうタラこうタラ。
ダラ 馬鹿。
タララ 五孫のこと、子、孫、ヒコ、ヤシャ、タララ。
タラス 与えるの卑称。
ダラクサイ 馬鹿らしい、あほらしい。
………タラシ ……らあたり、そこっタラシ。
………タラテテ ……とかいうて、都合悪いタラテテ行った。
タルイ 身心の働きが悪い、タルイ男じゃ。
タンベタンベ 度々。
ダンべ 男性のシンボル。
タンコべ こぶ。
ダンナイ よろしい、どうでもよろしい。
タンチマ 幼児、マは愛称。
(チの部)
チイチャイ 小さい。
ヂカ 直接。
ヂキャナイ 落着いていられない。
チット 少し。
チビ 小さいもの。
チビル 出しおしみする、少なく出す、小遣をチビル。
チビタイ 冷い。
チミル 抓る。
………チャ ……するよ、来るチャ、勉強するチャ。
チャワ あわて者。
チャンコ 幼児が座ること。
チャチャバシコイ すばしこい。
チャべ 多弁者、嘲称。
チャーント 行儀よく静かに、整然と。
チャンぺ 女の陰部、ペはアイヌ語で陰部。
チャンバチ 茶碗鉢の訛、大きい鉢。
チョカツク 落着のない軽挙、あわてる。
チョーキバン 月経、メンス。
チョコチョコ 度々、時々。
チョーシムナイ 物足りなく心さみしい。
チョッカイカケル からかいをしかける、かかわりをしかける。
チョンノマ 夫婦の寝室。
チョーメソヨゴス 寄付など少なくてもどれだけか言訳的にする。
チョーツケル 始末をつける。
チョーラガス 子供や無知な大人をもて遊ぶこと。
チョンドコ 便所。
チョロコイ 小さく弱々しい。
チョロナガイ 細長くて弱そう。
チョーワイ 招待してもてなす、娘、婿、坊さんなどのチョーワイ。
チョビンコ 大へん少なく。
チリ 頭髪の渦巻き。
チロノベロノ 言を左右して明答しない。
チンコマ 狛(こまいぬ)のこと。
チンタ 倭小の人、嘲称。
チーント 静かにじっと。
チンチ(チンポ) 子供の陰茎。
チンピキ(チンパ) 足を痛めてびっこひくもの。
チンチクリソ 極めて小さいこと。
(ツの部)
ツイバリ つっかい棒。
ツイポ 杖。
ヅイトコ 引きつづいて長く。
ツケヌケ それっきり、ツケヌケ遊びにこない。
ヅタ ぜんそく。
ツダネル 薪など揃えて束にすること。
ツッツア 父、卑称。
ツバエル 短かく刈り込む。
ツマシイ 少ない、不足がちな。
ツマエル 節約する。
ツマツマト こまやかに、一度にしないで少しずつ順々に。
ツンマリ コツコツと節約して稼ぐこと。
ツンツルテン 着物など短かくて手一パイ。
(テの部)
………テ ……とて、叱ったかっテどうにもなるまい。
デイ 出居、座敷のこと。
デカイ 大きい。
テカラデ 何も持たずに。
テキナイ 体がだるい、旗がへって元気が出ない。
………テカ ……と言うのか、行くテカ、来るテカ。
テクズリカヤス ひっくり返す。
テクソウマ よく走れない駄馬。
テゴ 藁で編んだ手籠。
デコべ おでこ、前デコ、後デコ。
テクタキ ちょうど過不足ない、手に何も残らない。
テッカランデ 手に何も持たず、空手で。
テックリカヤス ひっくり返す、テックリはひっくりの訛か。
テックワ 男のような女。
テニモハレニモ またと得がたい、二つとない。
テムテンニ むやみに、執拗に。
………テヤ ……される、行っテヤ、来テヤ。
テーヨハヤ どうしても、全く、テーヨハヤ問題にならん。
テンカク 事欠く、間に合わぬ、材料が少のうて仕事にテンカク。
テンカラ 全く、とても、テンカラ駄目じゃ。
テンキテンキ 二つともよく似てる、大差がない。
テーンデ 全然、テーンデ問題にならん。
テンデニ 各人毎に、テンデニ買った。
テントバ ムササどのこと。
テンバヅケ カラシ菜を漬けたもの。
テンバオクモジ カラシ菜を刻んで漬けた香のもの。
テンバメロ 親にでも逆らうような放蕩娘。
(トの部)
ドゥネツナ 鈍重な。
ドウラン 桐材で作った箱型の腰にぶら下げる煙草入れ。
トウキビ 玉蜀黍。
ドクツョナ 拙劣な、下手な、薄情な。
ドクショーナ 右と同意。
ドグサル 寝る、卑称。
ドク のける、退く(力行四段活用)。
ドショ 体の胴の部分。
ドショマナ だらしない、下手な、拙劣な。
ドシブイ 執拗な、ドは強調語。
ドスボリ 下水溜め。
トチクラガリ 暗がり、トチは強調語。
トッカヤス 引っくり返すの強調。
トツケ 行け、トは強調、卑称。
トッパシル 走るの強調。
トッポ(パ)シン 木の一番梢の端。
ドットセン 思わしくない、調子が悪い。
トツトク 始末しておく、納めておく。
トッチメル 強く問いつめる、いじめる。
トート 父。
ドドグロイ どす黒いの訛、濁った黒い色。
トトナワン 道理にあわない、馬鹿らしいこと。
トバ イタチ(動物)。
ドバコ 死骸をおさめる箱、土葬時代の名残りか。
ドーポク 綿を入れた筒袖の羽織、胴服の意か。
トボ 一斗桝の均し棒、斗棒の意。
トボツク うろつき歩く。
トボシコン 飛び込む。
トボーント ぼんやりと。
ドヒョーシナ 拍子抜けした様、手持無沙汰な素振り。
ドマツク まごつく、戸惑う。
ドミノ 背中に着る大きな蓑、胴蓑の意か。
ドーヤラコーヤラ 漸く、どうにかやっと。
トリアシ 作物の収穫歩合。
ドライ どれどれ、ドライちょっと見せてね。
………ト(ド)コー ……ておこう、取っトコー、読んドコー。
………トロ ……(令命形)立っトロ、待っトロ。
………トイヤ ……というそうだ、当ったトイヤ。
………トコト ……感情こめた接尾語、帰ったトコト。
トンケツナ 突拍子な、突然な。
トンコカキ 梅毒病人。
ドンコ 綿入れ袖無し、胴着の意。
ドンダクレ 酒呑みの放蕩道楽もの。
ドンド ドンコと同じ、またはどれほど、数量の意にも言う。
トントン 比較差引きない様、ピッタリと合致。
ドンドヤキ 左義長のこと。
トンマ 薄のろ、ボンヤリ者。
ドテラ 綿を入れた大袖で幼児を背負った上に着る。
ドロナワ 手遅れ、どろばう捕え縄をなう諺。
(ナの部)
ナイヤク 苗代期間三十三日間。
ナカオリ 半紙。
ナカシャ 中間、中程、中者(しゃ)の意。
ナガジリ 長尻、ふだん着の長い和服。
ナガチョロイ 細長いこと。
ナゴナル 体を横に長く伸びて休むこと。
ナサキ(ケ)ナイ おくやみ、お見舞、同情の挨拶、陳謝の言葉。
ナシタコト どんな事。
ナジ(ズ)ル 食欲のない者の食い方、ナジリ食い、また意地悪を言う。
ナズル なするの訛。
…ナタ ふち、辺、川ナタ、池ナタ。
ナドキ その季節、名時、ナドキナドキに休む。
ナナメラシイ そこそこの物、つりあいの合う物、似つかわしい。
ナマズ 仕事に倦き、背中が変な感じを起こすこと。
ナメトル 馬鹿にしている、軽視している。
ナーム 否定の返事。
ナワニカカル 犯罪を起こす、法を侵す。
ナンカカンカ 何かが、何これと、ナンカカンカ判る、ナンカカンカ文句つける。
ナンジャイニ そんなに何ですか、何んですか、反問。
ナンゾゲーニ 軽ろんじて、粗略に。
ナントカカントカ ああとかこうとか、どうかして、どうやら。
ナンド 納戸、物を始末しておく部屋、今は夫婦の寝室。
ナンナラ なることなら、または一層考えを変えて。
ナンデーニ どう致しまして、御礼に対する返事。
ナンボデーモ いくらでも、いつまでも。
ナンナサン 仏様、子供の詞。
(ニの部)
ニカ 籾ぬか。
ニ(ネ)カソダチ 手数のかかる幼児の育ち頃。
ニガ 底土、心土、赤ニガ、青ニガ、黒ニガ。
ニグ(ゴ)シ 米の研ぎ汁。
ニジル 人になすりつける。
ニックワ 葱。
ニッシンボー 鰊の背骨を抜いで干したもの。
ニッチョナ 貧弱な、下手な、劣った。
ニ(ネ)ッソリボトケ 無口で温順な人。
ニニナル 気にかかる。心配になる。
ニノテ 唐箕で選別する時二番口から出る二級品。
ニマル 座る、自分から権利を放棄すること。
ニヤホヤ どちらでもなくあいまいでハッキリ決断しない言動。
ニャーニャ ねえさん、嫁人後の若い女。
ニャンコ 猫、子供の呼称。
ニンゴ 稲穂の細い茎。
ニラミダイ 大鯛を腹合わせに二匹列べる祝魚、婚礼に使う。
(ヌの部)
ヌクイ 暑い、温かい(気象)。
ヌルイ 熱くない(液体)。
ヌルマユ 温い水。
ヌスト 盗人の訛。
(ネの部)
ネ(ニ)キ 水田の中に作る排水用の小溝。
ネ(ニ)グサイ 腐った臭い。
ネコ 一輪車。
ネコダ 物を背負う時背中に当てる藁で編んだ物。
ネコカブル 仮面でいつわる。
ネッコ 植物の根。
ネツモン 売り残り、はっぱ物、見切品、屑の品。
ネーハ(ワ) もともとから、ネーハ縁がなかったんじゃ。
ネバ 寝巻き、ネは寝、バは着物。
ネブツモン ならず者、大馬鹿者、放蕩道楽者を卑称、叱称。
ネリツケ 水田最後の除草、泥を練りつけ回す作業。
ネ(ニ)ンネ(ニ) 幼児、一番末子は大きくなっても言う。
ネンネバ 子供の寝巻。
ネ(ニ)ンゴ ねんぐの訛、年貢のこと。
(ノの部)
ノ 野、死人を焼く火葬場のこと。
ノオクリ 死者を火葬場へ送る行列を言う。
ノカレル 離縁すること、除く、レルは受身語、昔は一方的離縁だった。
ノズミ 野炭、火葬用に使う下等の木炭。
ノタクル さまよい歩く。
ノーテ 無いので、なんもノーテ困った。
ノデワラ 野手藁、苗代で首取る時苗を縛る藁。
ノべーニ 度々、常々。
ノマエル 物が一ヵ所に滞って困ること。
ノラツク のらりくらりと歩き回ること。
ノロイ 動作が緩慢なこと。
ノロマ 右のような者を言う。
(ハの部)
ハイヅミ 俵を整然と積む。
バイギ 薪。
バイタ 棒。
バイガオウ 相性のよいこと。
ハカ 田植草取り、刈取りなど一人の受け持つ幅。
バカ 下駄などに付く雪のこと。
ハカヤル 早く済ます。
ハガタラシイ はがゆい。
ハギミカク 一所懸命に励む。
ハクシャ くしゃみ。
ハザコ 畑のうねの間。
ハシカイ 賢い、すばしこい。
ハスワ 欲張らず、気前がよいこと。
ハゼ 餅をサイコロ目に切って煎って食べるもの。
ハチモン 智恵の少し足らない者。
ハチゲハナイテ 少しも遠慮しないで、ためらわず。
ハチコル 枝葉が繁る、威張り回る。勝手気儘を通す。
ハッポ 藁屋根の棟端に作った三角型の煙出し。
ハツイ もう少しのところ、際どい、ギリギリのこと。
バッカイナ 厄介な、困難な、迷惑な。
ハッコスル 繁昌する。
ハッシャグ 物が乾くこと、愉快に騒ぎ回ること。
ハッタリクワス 計略にかける、策略をめぐらす。
ハットバリ 立ちふさいで通さない。
ハツメナ 利巧な。
ハネサガス はねちらす、捜すことでない。
バアーコ 着物、子供の詞。
バーバ お婆さん。
ババ(バーサ) 右の卑称。
バーヤ 乳母、奉公人の婆さん。
ババヤスミ 臨時の休み、無名の休み日。
ハバシイ 手幅広く、羽振りよく、顔きき。
ハビク 品物がよく売れる、娘の縁付がよい。
ハビツ 変更、違約、解約、破綻、破談。
ハブム 水など堰止めて溢れる、一パイになる。
ハべソ 蒲鉾。
ハヤソマニ 早くに、ちょっとの間に、短時間に。
ハヨラト 早く、すぐと。
ハラ 心の中に思っていること。
ハラキ 度胸、思い切りよい。
バラヤ 大変や、一大事や。
バライタ 後悔の気拝を表わす言葉。
バラナコト 大変なこと、大騒動のこと。
ハラべッコ 腹這い。
バリ 小便。
バレル 秘密の発覚、談判の決裂すること。
ハンゴムク はごたえする。
バンショ 土製の火桶で寝る時温めるもの、火バコとも言う。
ハンチャ 羽織のように着用、襟を折らず、わきを入れない着物。
バンドリ 蓑のこと。
バンモ(ブ)チ むかし力比べに用いた重い石や俵。
ハンテ 仕事着の袢天の訛。
…ハンカ …しか、こんどハンカなかった。
…ハンデ 右と同意、十分ハンデかからんだ。
(ヒの部)
ヒカタ 南西の風、三四月頃吹く乾燥した風。
ヒコダ 矩形でない形の田。
ヒゴ 正常でない形の生育の悪い果実、貧弱な人間にも言う。
ヒザナカ 昼間、日中。
ヒズニ 余分に。
ヒダリマキ 気違い、狂人。
ヒダルイ 腹が減って体がだるいこと。
ヒ(シ)チビタ 大腿部の外側。
ヒッツイ かまど。
ヒ(シ)ツコタラシイ 執拗にとり付く。
ヒッチャクル 引張り取る、ひったくるの訛。
ヒトミ 幼児など常に見馴れない人を見て恐れて泣くこと。
ヒトイ(ヨ)キ 相当の時間。
ヒトデ 稲の刈った後の株から発生する稲。
ヒトソトコ 喧嘩ごしで自分の家を指す言葉。
ヒナカ 半日。
ヒナミ 天候。
ヒネクラシイ 若者が年ふけてみえるようす。
ヒバル 体の筋肉の一部が引きつって自由に動かれない。
ヒブラ 竹製の熊手。
ヒボツケル 苦情を言い出す、文句を付ける。
ヒャッコ ところてんのこと。
ヒョーキンナ 滑稽な。
ヒョコーント ひょっこり。
ヒョツーント 突然に。
ヒョータンナ 滑稽な。
ヒョーヤク じょうだん。
ヒラガリ 昼上り、昼食に外から家へ帰る。
ヒリ 昼の訛。
ヒリオリ 昼休みして家を出て仕事に行く。
ヒンニ 昼寝の訛。
ヒンニシガル 羨しがる。
ヒンバル 引っ張るの訛。
ヒンマカラ 午後から。
ヒンママイ 午前。
ヒンマタグ 勢よく飛びまたぐ。
(フの部)
フギ ひげ。
フクロビル 縫い目がほころびる。
フゲコ 藁で円筒形に編んだ入れ物、テゴより大きい。
フケラガス 吹聴する。
ブサイクナ 愛想がなく粗雑な、無細工。
フシンボクナ 腑に落ちんようす。
ブチ 餅
ブチョーナ 失礼な、粗末で無礼な。
フーット いつのまにか、理由もなく自然と。
フンジョナ 不便な。
フンチャナ 不潔で汚い、しまりのない。
フンチャクラシイ フンチャを強調した意。
(への部)
へイロクナ 滑稽な。
へグル 何度も同じ事を操りかえす。
…ベシ …きり、それべシ一度も来ん。
へズ 左手前に鍬持つような様、余分の物。
ヘシナイ 待ち遠しい。
ベッタリ すっかり、ベッタリ日が暮れた。
ヘッタクレ ひどくそしる様、ヘッタクレに言われた。
ヘべレケ ひどく酔うこと、ヘべレケに酔うた。
ベーヤ 下女、年若い下女、又は奉公人の女。
ヘラダオシ 全部掛れる。
ヘラベッタイ 広く平らなこと。
ヘンクツナ 懇ろすぎる様。
ベンタリ ご気嫌とり。
ヘソテツモン かわり者。
ヘンテコナ 不可解な。
ヘンバイナ 生意気な。
(ホの部)
ボー 少年、男の子。
ホイ(エ) 榾、薪にする木。
ボウ 追う。
ホ(ソ)ウケ(キ) そうですか。
ホウラカス 放っておく。
ホ(ソ)オーヤ そうだ。
ホウチャ 庖丁。
ホーカ そうか。
ボカーント ぼんやりと。
ボコイ おろか。
ボサ 植物の実を抜いだ莢がら、またはぼんやり者。
ボス 中味の腐ったもの、頭脳のわるい馬鹿者。
…ホズ(ド) …ほど、後ホズ良かった、登るホズ景色ゃ良い。
ホゾオトイテ 聞き惚れる、ホゾオトイテ先生の童話聴いてる。
ホソゴ(グ)リ 細い紐。
ホゾヌケ 間抜け者。
ホツコリセン 思わしくない、調子が良くない。
ポッカ(サ)リ 遅鈍。
ボッコリ 平穏、温順、温暖、副詞。
ポッチャーリ やわらかい感じ。
ホテ 横、傍。
ホーネル 畝の土塊を砕き土表を均し整える。
ボブラ かぼちゃ。馬鹿者。
ボブラゾルハワス 貧乏倒産、家屋敷まで売って跡に南瓜を作る意。
ホ(ツ)ーべタ ほお。
ホーヤホーヤ そうだそうだ。
ホラ… そら…、さあ…、ホラ行くぞ、ホラ出た。
ホライ そらみたか、ホライ落ちた、ホライ駄目やろ。
ホーリャ サー大変、ホーリャ叱られるぞ、ホーリャおばけゃ出るぞ。
ホレカ それですか。
ボロイ 大儲け、ボロイ話、ボロ儲け。
ホロコイ もろい。
ホンマ 本とう。
ボンマクシタ 狼狽した。あわてて戸惑うた。
ボンゴロ 貧しい姿で物を貰い歩く者。
ボンボ 背負う。
ボンノクビ 首の後方の窪んだところ、ボンノクビャ悪い(悪運)。
ボンコ 背骨の弯曲した奇形人、ボンコサともいう。
(マの部)
マー 父、親爺、戸主、卑称。
マイキ 前掛け。
マイゲ 眉毛。
マイル 死ぬ、とうとうマイラッシャツタキ。
マキ(ク)サガス 撒き散らす。
マケンショ まけずぎらい。
マサクッタ 柄にもなく威張ったり自慢する。
マセル やつす。
マセマセト 柄にもなく自慢する、高慢ちき。
マタコトナシ 間違いのない、確実な。
マタラズモノ 一人前に達せぬ者。
マタジ 跡の始末。
マツイ 同族、同志、同類。
マッポウクラム 目がくらんで前後分別を失う。
マテイーナ 正直で純情素直な信用出来る。
マテ(イ)バシモナイ 待ったなし、こらえ性のない。
マドウ 弁償。
ママ ご飯、ママ米。
マメゾー 間断なくベラベラしゃべる者、多弁者。
マンプ(ポ) 隧道、トンネル。
マンチャラクワス ごまかす。
マンベンヨク 平均にむらなく。
マン……… まず………、マン良かろう。
………マン ………ないか、催促の意、見いマン、言えマン。
………マ ………よ、命令の意、見せマ!書けマ!。
………マッシ ……なさい、食うマッシ、見マッシ。
………マッシマ(ン) ……なさいませ、入るマッシマ、見マッシマン。
………マッシャル ……れる、…なさる、行くマッシャル、来マッシャル。
………マッシャラン ……れない、…なさらない、寄るマッシャラン、出マッシャラン。
(ミの部)
ミイマ 見なさい。
ミザトイ 見つけるのが早い。
ミジカジリ 作業しやすい短い衣類、昔の作業姿。
ミズァフソー その土地に体が調和する、その地域の水が付添う。
ミズミル 土地の高低を測って平均にする、建築に必要、水糸を張る。
ミタマ 糯米に黒豆を混ぜて蒸した強飯。
ミッカイ 割竹を組んだ箕、土工用。
ミト 水田の水の落ち口。
ミトム(ン)ナイ 見にくい、恥かしい人目に悪いこと。
ミトンポ 見付けるのにうとい者。
ミテクレ 外見の良しあし。
ミナクチ 水田の水の入り口。
ミノウリ まくわ瓜の一種類、緑と黄色の縞、美濃の原産。
ミバシカイ 何んでもよく見付けるのが早い。
ミマジリ まばたき。
ミミズリ 針の穴。
ミミソジャコ 目高、小魚の総称にも用いる。
ミヨシ 粃、籾の充実しない屑籾、動物や人間にも例えて言う。
ミンドイ 人目に恥かしい拙い状態や悪い心。
ミャクァアル 見込みがある。
(ムの部)
ムカツク 腹が立って納まらない。
ムキンナル 本気になる。
ムギル 反対して応諾しない。
ムクレル 不服な腹立ち顔。
ムケッショナ 無愛想、薄情な言動。
ムケンパチ 額の正面。
ムコブシ 向臑(すね)。
ム(モ)サイ 心配な、野暴な、むさ苦しい。
ム(モ)サイトコ 不始末な所、貧しい所。
ムサンコナ 乱暴な、無理な、無調な。
ムシコ 窓の外側に取り付けた柵のような格子。
ムシカブリ 腹痛。
ムジル 心や物が曲がる、ゆがむ、ねじれる。
ムジリカンべ 右のような心のねじれた人間。
ムジリ 無尻、みじかじり、作業上衣。
ムシクジン ブツブツ文句ばかり言う、わからずや。
ムソク 無駄。
ムメル 乳房に乳が漲る、または熱湯に冷水を入れてさます。
(メの部)
メサレ 見やがれ、盗んでメサレ巡査に言うぞ。
メッコ 片盲目、または米飯の半炊、メッコママ。
メットモナイ みっともない。
メトニスル 馬鹿にする、軽んじる。
メメル にらむ。
メロ 女、女郎。
メンチャ 雌、人間の場合は卑称。
メンドイ みっともない。
(モの部)
モーカ(コ)キク 蒙古が来た、子をおどす語。
モクタ ごみの堆積したもの。
モクロ もぐら。
モサイ 心配で困る、むさいと同意、
モジル ゆがむ。
モスダリツク ねだる、無心をいう。
モタス 恩にきせて急がない。
モチャスビ おもちゃする。
モッタイシヤ 面倒や、厄介や。
モテル 重宝される、高く評価される。
モモツケナイ むごたらしい、惨酪な。
モラサレル 渋茶など飲んで昂奪して眠れないこと。
モントチガイ おかどちがい、考えちがい。
モンモン まじない、呪文。
(ヤの部)
………ヤ ……だ、そうや。
………ヤー …しないか、見んかいヤー、来んかいヤー。
ヤー はい、目上に対する応答。
ヤーヤー はいはい、右の言葉を丁重に。
………ヤイ ……だい、これどうヤイ。
………ヤガレ 命令の罵称、見ヤガレ、出ヤガレ。
ヤカン 熟し易くさめ易い人。
ヤカタ 瓦葺、昔は武士の屋形は瓦葺だったから。
ヤクセンダ 駄目だった。
ヤクチャムナイ 無茶な、無法無謀な。
ヤクヤク わざわざ、折角、どうにか。
ヤシコ 休み日。
ヤシャ 四孫、子、孫、ひこ、ヤシャ。
ヤタ 穂の抜き切れ。
ヤッチャチニ 急に。
ヤットコサイトコ どうにかやっと。
ヤドヅケ 糠味噌の一夜漬け、夏季の野菜漬。
ヤボ(ブ)イ 野暴な。
ヤマセ 北東の風。
ヤモォード 山ほど沢山。
ヤーヤー はいはい、返事。
ヤーヤ 母の卑称、父のマーに相対的。
ヤヤコシイ 確かでない。
ヤリカケテ 精一杯に、荷物をヤリカケテ持ったら重たかった。
ヤリダシ 思慮分別もなく言動する。
ヤンチャナ 乱暴な。
ヤンチャコク だだこねる。
(ユの部)
ユーソワラ 稲を束ねる藁。
(ヨの部)
ヨー……… …よくも、……たびたび、ヨー来たなァ、ヨー行く家じゃ。
ヨー……… 一番……、ヨー始めに、ヨー最後になった。
ヨーカヤ 確かかや、すぐ来るってヨーかや。
ヨークワ(カ)イナ 横着な、勝手な。
ヨーカインナ うさんな、確かでなさそうな。
ヨコス やる、一ッヨコスぞ、ヨコセよ。
ヨサリ 夜、ヨーサリとも言う。
ヨスケムク よそ目する。
ヨダガリ 夜月明りなどで稲刈りする。
ヨダイガリ 夕方田から上って帰る。
ヨテカッテ(コテヒク)自分の都合よいことばかりを勝手にする。
ヨーデモナイコト いらんこと。
ヨーナイ 面目ない、相手にすまない態度、または良くない。
ヨナガ 夕食。
ヨノミ 夜ふかし、夜の身の意か。
ヨーハヤ 持てあます、ヨーハヤ困りはてた。
ヨバイコキ 夜中情人の家へ忍び込む者。
ヨバレル 呼ばれて御馳走になる。
ヨボル 呼ぶ。
ヨモクロワルイ 工合が悪い、または相手に変な不都合な態度。
ヨーヤゾ 念を押す言葉、用事忘れるなヨーヤゾ。
ヨリムク 振り向く。
(ラの部)
………ライ 感嘆の助詞、あライ、こライ、そライ、ほライ。
………ライシテ 右の強い言い方、あライシテ、こライシテ、そライシテ、ほライシテ。
ラチャカン 駄目。
(リの部)
リキンドル 威張っている。
リクツナ うまい、道理に合った、面白い。
リクツァナイ 右の意を否定する言葉。
リサトイ 巧みに利得する。
リムテンニ 道理も無視して強引に。
(ロの部)
ロクダカ 所有田の数量。
ロクデナシ つまらん人間。
ロクデモナイ つまらん。
ロクナコトァナイ よいことがなくつまらんことばかり。
(ワの部)
………ワ ……よ、行くワ、来るワ。
………ワイ ……とも、出すワイ、入れるワイ。
ワサン 人の歩き方、爪先を外に向けると外ワサン、内側は内ワサン。
ワシ 男の自称。
ワセブトリ 子供の成長が早いこと。
ワタイ 女の自称。
ワタシ わたくしの訛。
ワナル 大声で叫ぶ。
ワヤク じょうだん。
ワラビシイ 年の割に身心が幼推、小さいことにとやかく文句を言う。
ワルサ 悪い素振り。
ワリ(レ)ャ 君は、卑称。
ワレントコ 君の家。
ワロー 男の子の卑称。
(ンの部)
ン はい、返事。
………ンダ ……なかった、来ンダ、出ンダ。
ソナカラ みんなから。
ソニトッタ 心にかけていう、誰もがンニトッタ。
ソニャケタ にやけるの訛。
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富奥郷土史