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日本の神々
(白山比?神社)
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==白山比?神社==

 

○霊峰白山(れいほうはくさん)

 白山は日本三名山の一つに数えられる山といわれております。

 白山は御前が峰(二,七〇二メートル)と大汝峰(おおなんじみね)(二,六八四メートル)と別山(二,三九九メートル)と三山合わせて白山と呼びます。

 加賀・越前・美濃と三国の国境にそびえる白山は古くから死者の入山する霊山として信仰されております。

 「賽河原(さいかわら)・畜生谷(ちくしょうたに)・阿弥陀(あみだ)が原」などと呼ばれる霊地があります。山麓の人々にとってこの山は祖霊の宿る聖域であり、農耕に不可欠な水を供給する神の山でした。富樫氏歴代にわたり白山禅定惣長史(しらやまぜんじょうそうちょうし)として神に仕へた。

 白山は奈良時代養老元年(七一七)に僧泰澄大師(たいちょうたいし)により開山されたと伝えられています。

 ・白山比?神社(しらやまひめじんじゃ)

 白山三山の主峰御前が峰に白山比?神社の白山本宮が祭られています。御前が峰の神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)伊弉冉尊(いざなみのみこと)と白山妙理大菩薩(はくさんみょうりだいぼさつ)(菊理媛(きくりひめ))ともいい、その真のお姿は十一面観音菩薩であります。

 白山大汝峰の神は大己貴命(おおなむちのみこと)であるが本当のお姿は阿弥陀如来(あみだにょらい)であります。

 白山別山の神は小白山行事といい、真のお姿は聖観音菩薩であります。(大山祇命(おおやまづみのみこと)ともいう)

 こうした白山の神の垂迹(すいじゃく)(かりのお姿)と本地(真実の形)をはじめて明らかになされたのが僧泰澄大師であり偉大なお方であります。

 平安時代の天長九年(八三三)には加賀・越前・美濃の三国にそれぞれ馬場が開かれ、白山登拝のため禅定道の基点として賑わっていました。

 平安時代には神佛習合思想(しんぶつふごうしそう)が広がり、白山に「白山宮」と「白山寺」が祀られていました。

 「白山寺」が天台宗延暦寺(てんだいしゅうえんりゃくじ)の別院となり、又白山本宮の白山比?神社は白山修験道の発展とともに全国各地に末社を拡大し「白山衆四千社」を数ふと稱せられる程の一大勢力を持つようになりました。

 白山本宮の末社は岐阜県の五二五社を筆頭に北は青森県九社から南は鹿児島県の七社まで全国二,七一六社にも達しています。

 白山神社は合祀されて白山を名乗らない神社末社を含めると白山を祭った神社は数倍数十倍ある可能性もあったと指摘する。

 明治初年の神佛分離の際に白山から引下ろされた。下山佛など白峰村の林西寺(りんさいじ)や尾口村尾添(おぞう)の白山神社に安置されております。

 「白山三所権現守護札(白峰村風岩淨光寺蔵)白山本宮地佛の十一面観音菩薩を中央上部に阿弥陀如来と聖観音菩薩を左右に配す」とくに室町時代末期から江戸時代を通じて庶民にとうとばれた。

 室町に入って聖護院道興准后の登山されたときに、その著廻国雑記に「白山禅定し侍りて三の室に至り侍るに、雪いと深く侍りはれば思ひつづけ侍りけるとして「白山の名に顕はれてみこしぢや峰なる雪の消る日もなし」下山の折ふし夕立し侍りければ夕立ちの雲はしらねのゆき消かな」と詠じた。

 

 ○岐阜県五二五社 ○福井県四二一社 ○新潟県二三二社 ○愛知県二二〇社 ○石川県一五六社

 ○富山県一〇六社 ○埼玉県一〇二社 ○長野県九十六社 ○群馬県九十三社 ○秋田県八十六社 ○山形県七十六社 ○静岡県五十六社 ○千葉県五十三社 ○栃木県四十四社 ○福島県四十二社 ○茨城県四十一社 ○東京都四十社 ○宮城県三十社 ○滋賀県二十七社 ○岩手県二十七社 

 ○三重県二十六社 ○山梨県二十五社 ○福岡県二十二社 ○神奈川県二十一社 ○奈良県十五社 ○徳島県十四社 ○佐賀県十二社 ○京都府十一社 ○熊本県十一社 ○兵庫県十社 

 ○青森県九社 ○大分県九社 ○和歌山県七社 ○高知県七社 ○鹿児島県七社 ○大阪府六社 ○山口県六社 ○長崎県六社 ○愛媛県六社 ○鳥取県四社 ○ ○香川県三社 ○島根県二社 

 ○岡山県二社 ○広島県二社 ○計二,七一六社

 道興准后は白山・吉岡・剱を通過し、矢作に宿り、今宵は矢作の里といえる所に宿りけるに暁の月をながめて「こよひしも矢作の里にゐてぞ見る夏も末なる弓張りの月」と詠じた。野々市の活気満ちた村人を讃え京都に劣らぬ繁栄と活気あふれる多く人が行きかい仕事に励む街の姿を讃えて、

 「風おくる一村雨に虹きえてののいち人はたちもをやまず」と詠じた。

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